掌蹠膿疱症
「しょうせきのうほうしょう」と読みます。掌(しょう)は手のひら、蹠(せき)は足の裏、膿疱(のうほう)は膿の貯まりという意味です。手のひらや足の裏に小さな水の貯まり(水疱)や膿疱ができ、皮膚が硬くなったり、むけたりします。
中年の、特に女性に多い慢性の病気です。膿の貯まりといっても、ばい菌はいません。症状は水虫に似ていますが、ほかの人にうつることはありません。かゆみがある方と無い方がいます。皮膚がむけたり、ひび割れしたりすると、痛みを感じます。手足のほかにスネなどにも、小さな赤い発疹がでることがあります。爪が変形する方も少なくありません。皮膚以外の症状としては、1~2割の方に関節、特に胸鎖関節(胸骨と鎖骨をつなぐ関節)が腫れて痛くなることがあります。
原因
原因がよく分かっていない病気なのですが、たばこを吸う方に多く、一部に扁桃腺(へんとうせん)や虫歯などのばい菌が関係する方もいます。海外での報告は少ないのですが、日本では虫歯の治療に使われているパラジウムなどの金属が原因となっているケースが報告されています。
治療
治療の基本は、外用剤(ぬり薬)です。ステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤が主に使われます。治りにくい病気ですので、紫外線照射や抗生剤などの内服薬(のみ薬)も加える場合が少なくありません。禁煙もお願いしています。重症な方に対しては、生物学的製剤を注射する治療があります。長期にわたり、良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、3~7年くらいで治る方が多いようです。