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皮脂欠乏性湿疹

冬にシニアの方などが、スネや腰を中心に強い痒みを感じることがあります。医学的な病名は、皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)といいます。乾燥肌(皮脂欠乏症)がひどくなり、炎症が加わって湿疹になった状態です。

 

原因

皮膚の表面は、毛穴から分泌される皮脂(ひし)などによる皮脂膜に覆われています。この皮脂膜には、皮膚を保護する働きがあります。加齢や洗い過ぎなどにより皮脂の量が減ると、皮膚の最も外側である角質層がはがれ、乾燥がさらに進んでバリア機能が低下します。すると、正常な場合は奥にまで入っていけないような大きさの物質が、角質層を通り抜けて皮膚の下にまで達し、炎症を引き起こすことになります。また、かゆみを感じる神経線維が皮膚の表面近くまで伸びるため、刺激に対して敏感になり、軽い刺激でも強いかゆみを訴えるようになります。

症状

 乾燥肌の場合は、皮膚の表面が薄くむけ、カサカサと白い粉をふいたようになり、かゆみも強くありません。皮脂欠乏性湿疹になると、皮膚の表面にサザナミのような割れ目ができて、特にスネでは赤みも加わり、強いかゆみを感じる傾向があります。しかし、乾燥肌(皮脂欠乏症)と皮脂欠乏性湿疹の境目はあいまいで、広い範囲にある乾燥肌の一部が、悪化して皮脂欠乏性湿疹になっていることも少なくありません。

治療と生活上の注意

「保湿剤を使っているのに湿疹が治らない」と不満そうにおっしゃる患者さんが少なくありません。保湿剤は皮膚の水分量を増やすものであり、残念ながら湿疹を治す効果はありません。皮脂欠乏性湿疹はステロイド外用剤などを適切に使うと、速やかに治ることが多い病気です。湿疹が治って痒みもなくなってから、良い状態を保つために保湿剤を使用するのが適切だと思います。

入浴など生活上の注意点は、乾燥肌の項をご覧ください。

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