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男性型脱毛症

思春期以降の男性で、髪の毛が薄くなる状態です。頭のてっぺん(頭頂部)ないし、ひたいの両側あたりから始まり、頭頂部から前の部分が年齢とともに少しずつ薄くなっていきます。以前は「若はげ」と言われていたもので、30歳代後半くらいから自覚する人が多いようですが、早い人では20歳代前半からはじまります。日本人の成人男性では、3分の1~半数に生じるとされています。

頭頂部の男性型脱毛症

アンドロゲン

毛は、皮膚の下にある毛包(もうほう)というところで作られます。頭髪は月に1㎝くらい伸びるのですが、3~4年すると自然にいったん抜け、3~4か月後にまた新しい毛が生え始めるというサイクルを繰り返しています。男性型脱毛症の場合、頭髪が十分な長さと太さになる前に抜けてしまい、細く短く弱々しい毛になります。抜けたあとに再び生え始めるまでの期間も長くなり、ついには殆ど生えなくなってしまいます。これは、思春期以降に増える男性ホルモン(アンドロゲン)の作用によるものです。最近よく使われるAGAという名称は、androgenic alopecia(アンドロゲンによる脱毛)の略です。男性ホルモンは色々な臓器や組織に作用するのですが、頭頂部などの毛包に作用すると毛が薄くなります。ひげや胸毛の場合は、逆に濃くなります。

治療

毛包には、男性ホルモンを活性化する酵素(5α還元酵素II型)があります。治療としては、この酵素の作用を弱める飲み薬が主に使われます。フィナステリド(プロペシア®)とデュタステリド(ザガーロ®)の2種類が認められていますが、残念ながら健康保険はきかず自費の治療となります。最近は、比較的安価なジェネリック医薬品(後発品)も登場しています。また市販のぬり薬であるミノキシジル(リアップ®)も、ある程度は効果があるとされています。

フィナステリドもデュタステリドも、前立腺がんのマーカーであるPSA(前立腺特異抗原)の値を約半分に減らす作用があります。検査を受けた際、癌の疑いがあるのに、正常な結果と判定される可能性があるのです。特に60歳以上の方は、のみ始める前にPSAの血液検査を受けておくことをお勧めします。

経過

さて誰でもよく探すと、シャンプーした際に抜けた頭髪が見つかるのですが、男性型脱毛症の方は細く短い毛が何本もあるはずです。薬をのみ始めて1~2か月すると、この細く短い抜け毛が減ってきます。更に2~3か月して、髪の薄い部分に短いけれど少し硬い毛が触るようになったら、効果があると考えてください。半年たっても効果が自覚できなければ、続ける必要はないでしょう。効果があった場合は、のみ薬の継続をお勧めします。問題は、中断すると少しずつまた抜ける状態に戻ることです。男性脱毛症が気になる方は多いのですが、この点を理解した上で、治療を始めるかどうかお考え下さい。

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