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しもやけ

しもやけ(霜焼け)は、手足の指などが、寒い季節に赤く腫れて痛がゆくなる病気で、主にお子さんやシニアの方にみられます。赤紫や黒っぽい紫色になることもあります。暖房や入浴などで急に温められると、かえって痒みが強くなることがあります。昭和初期までは、ほとんどの小学生が悩まされていたようですが、現在では少なくなりました。しかし、しもやけになり易い素因を持つ方では、毎年のように繰り返すことがあります。医学病名は凍瘡(とうそう)というのですが、雪山で遭難した人などにできる凍傷(とうしょう)とは別のものです。

指を中心とする手足のほか、耳、鼻や頬などもみられます。皮膚が赤ないし紫色になり、腫れることが多く、悪化すると水ぶくれができたり、それが破れて潰瘍(かいよう)になる場合もあります。気温が3~5℃で、1日の寒暖差が10℃以上あるときに発症しやすいとされ、真冬の一番寒い季節よりも初冬や晩冬に多いようです。

2つのタイプ

しもやけは、手に指など患部全体が赤紫色に腫れあがる樽柿型(T型)と、赤く少し盛り上がった直径1~2cm程度の発疹が幾つか出る多形紅斑型(M型)に分けられます。前者はお子さんに多く、後者は大人に多い傾向があります。ちなみに樽柿(たるがき)とは、渋柿を空いた酒樽に詰め、樽に残るアルコール分で渋を抜いて甘くしたものです多形紅斑(たけいこうはん)は、主に若い女性で春秋に繰り返す傾向のある、手足に多い皮膚病のひとつです。

T型

M型

原因

血液は心臓から出て動脈の中を流れ、毛細血管という場所で周囲の細胞に酸素や栄養を供給し、静脈を通ってまた心臓に帰っていきます。温度が下がると、皮膚の表面にある動脈も静脈も収縮して細くなります。これが急に温められると、動脈はすぐに広がるのですが、静脈が太くなるのには時間がかかります。このとき毛細血管を中心に血流がうっ滞するため圧力が増し、一部の血液成分が周囲に漏れ出し、炎症が起こることが原因と考えられています。手足などの血流の流れを調節しにくい素因のある方が、発症しやすいようです。

治療

治療としては、まず血流を良くするためにビタミンEのぬり薬や飲み薬を使用します。薬を塗った後は、よくマッサージをして下さい。漢方薬などを飲んでいただくこともあります。水ぶくれが破れて痛みが強い場合は、きず薬や皮膚の潰瘍を治す薬を使います。症状がひどい場合は、ステロイド薬を処方することがあります。

生活上の注意

「しもやけ」になり易い方は、寒い日の外出の際に、手袋やマスク、イヤーウォーマーなどを使用して下さい。雨や雪の日に靴だけでなく靴下がぬれたときは、早めに履きかえるようにしましょう。カイロも有効で、靴のインソールや靴下にはるタイプも試してみる価値があるでしょう。汗をかきやすいお子さんでは、ぬれた靴下が乾く際に体温を奪うことが原因になることがありますので、ご注意ください。入浴の際は急に温めず、ゆっくり温めながらマッサージをしましょう。

ご注意

強皮症(きょうひしょう)という膠原病では、しもやけを毎年冬にくり返すことがあります。特にレイノー症状といって、全身や手などが冷却された際に指が真っ白になり、しばらくすると赤くなってから元に戻ることがある方はご相談ください。また全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群、サルコイドーシス、新型コロナウイス感染症などの病気や、心臓カテーテル検査後にしもやけに似た症状がでることがありますが、この場合は季節とは関係ありません。

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