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軟膏などの塗り方

ぬり方により効果に差がでます

軟膏やクリームなどの外用剤(ぬり薬)を処方された際、指にとって患部に強く塗り込む方が多いようです。当院では、ぬり方を看護師や医師がお伝えしているつもりなのですが、これまでご自分でやってきた方法を変えるのは難しいようです。治療を始めて何日かは時間をかけて一生懸命ぬるのですが、少し良くなってくると、ぬる回数も量も減ってきて、完全に治りきらないまま何となく過ごしている方も少なくありません。ぬり薬の効果は、使用方法により大きな差がでるものです。正しい方法での使用をお願いします。

伸ばしてください

ぬり方の基本は、すりこまず、優しくさっと伸ばすことです。保湿剤などでは、すりこんで頂くことがあるのですが、あくまで例外です。ぬる部分が小さく、ところどころに散らばっている場合は、指でチョンチョンと乗せるようにします。

ぬる量は、少し多すぎかなと思うくらい。軟膏の場合は、横から見て少し光る程度です。皮膚には細かなデコボコがたくさんあるので、ぬる量が少ないと出っぱっている部分には薬があまり付かず、効果が弱くなります。チューブに入った薬の場合、ぬり薬を人差し指の先端から第1関節まで絞り出した量( FTU:finger tip unit 指先の単位) が約0.5gになるので、これを両方の手のひらに相当する面積に塗るのが目安となります。ローションなど液剤の場合は、1円玉の大きさに出した量が約0.5gになりますので、この量を目安に、両方の手のひらに相当する面積にぬるようにしてください。

回数

ぬる回数は、1日2回、朝晩が基本です。薬をぬるのは面倒ですが、無理なく継続できるよう、ご自分の生活リズムの中で一番ぬり易い、忘れないタイミングをみつけてください。夜に入浴する方が多いので、晩はお風呂上りに体を拭いてからが良いでしょう。入浴しない場合は、パジャマに着替える際などでもかまいません。朝は、食後か着替えの際になると思いますが、ぬる前に患部を洗っておく必要はありません。ただし、ぬり薬をさわる手は、清潔にしておいて下さい。水虫の薬など、1日1回の場合は、入浴後を選ぶ方が多いと思います。にきびの薬などでは、夜だけと指定されているものもあります。同じ薬でも、病状によって1日3回、2日に1回など、ぬる回数を増やしたり減らしたりしていただくこともあります。

2種類の薬を同じ場所にぬる場合は、医師から説明された順序でぬって下さい。一般的には、ぬる面積が広いものを最初に使い、狭いものを後からぬります。

使用期限

「2年前に処方された薬を塗ったが、治らない。」と言われる方が、時々います。缶詰などの食品に消費期限や賞味期限があるのと同様、薬にも使用期限があります。蓋を開けた塗り薬の使用は、6か月が目安と考えて下さい。

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