中波紫外線療法
日光には、波長の違う光が含まれています。波長の長い方から赤外線、可視光線(人間の目で見える光)と紫外線で、さらに紫外線は比較的波長の長い紫外線Aと短い紫外線Bに分けられます。紫外線は日焼けなどの原因となりますが、いくつかの皮膚病の治療に効果があることが以前から知られていました。
中波紫外線
近年、紫外線の中でも波長が311nm付近の光が、特に有効であることが分かってきました。これがナローバンドUVB(中波紫外線)と呼ばれるものです。乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑などに効果が認められており、健康保険も使えます。ただし、中波紫外線療法だけで治療できることは殆どなく、外用剤(塗り薬)や内服薬による治療と一緒に行うことになります。
治療の実際
当院の中波紫外線照射装置は、50cm四方の範囲に照射できます。病変の範囲が広い場合には何回かに分けて照射し、逆に小さな病変に対しては、専用の布などを使って照射範囲を狭くします。日焼けなどの副作用が出ないよう、初回は少ない線量を照射し、効果を確認しながら徐々に増やしていきます。効果があり、副作用のみられない量が分かったら、その量でしばらく繰り返しますが、週に1回以上の定期的な通院が必要です。またこの治療には、予約が必要です。