でんぷう
主に若い人の胸や背中、首などに、淡い茶色の丸いシミのようなものができる病気です。でんぷう(癜風)というのは聞きなれない病名で、怖い印象を持たれるかもしれませんが、心配なものではありません。癜風菌(でんぷうきん 別名マラセチア)という、誰の皮膚にもいるカビ(真菌)の一種が、夏などの高温多湿な環境で増えたものです。
初めは米粒くらいの大きさですが、少しずつ大きくなって直径2~3cmくらいになり、数も増えていきます。いくつかがくっ付いて、まだら模様に見えることもあります。淡い茶色が多いのですが、薄いピンク色や、稀には白っぽいものもあります(白色癜風)。また痛みや痒みはないことが多いのですが、軽いかゆみを感じる場合もあります。
診断と治療
病変部をこすると白いフケのような粉が出るので、これを顕微鏡で検査し、癜風菌を確認することで診断します。カビを殺す塗り薬(抗真菌外用薬)で治療すると、2~4週間で治ることが多いのですが、発症して時間が経っている場合には、淡い色だけが数か月残ることもあります。
再発することも
癜風菌は誰の皮膚にもいる常在菌(じょうざいきん)のため、薬を使っても体から完全に取り除くことはできません。このため高温多湿というカビが増えやすい環境があると、再発することがあります。
なお、ほかの人へ感染する危険性は無いとされています。